命を育む
大地を整える。
美しい葉も、可憐な花も、すべては見えない土の中で広がる「根」によって支えられています。
鉢という限られた空間の中で、いかに自然に近い理想的な環境を創り出すか。 土の配合と、植物の成長を優しく後押しする肥料の知識は、健やかな園芸の要となります。
良い土の条件「団粒構造」
理想的な土とは、細かい土の粒子が集まって小さな塊(団粒)を作っている状態です。団粒と団粒の間に隙間ができることで、「水はけ」「水持ち」「通気性」という相反する条件を同時に満たします。
基本用土(土の土台)
赤玉土(あかだまつち):関東ローム層の赤土を乾燥させたもの。無菌で水はけ・水持ちが良い、日本の園芸の基本。
鹿沼土(かぬまつち):軽石の仲間。酸性で通気性が高く、多肉植物や酸性を好む植物に使用。
改良用土(栄養と環境調整)
腐葉土(ふようど):広葉樹の落ち葉が発酵・分解したもの。土をふかふかにし、微生物を豊かにします。
ピートモス:ミズゴケなどが泥炭化したもの。水持ちを良くし、土を軽くします。
黄金比率の例
一般的な観葉植物:赤玉土(小粒)6 : 腐葉土 3 : 軽石 1
※市販の「観葉植物の土」はこれらがバランス良く配合されており、初心者の方には最適です。
肥料の心得:過ぎたるは猶及ばざるが如し
植物にとって肥料は「ごちそう」であり、サプリメントです。日常の食事(水と光)が不十分な状態や、体調不良(根腐れなど)の時に与えると、逆に根を傷める「肥料焼け」を起こします。
窒素(N)- 葉肥
葉や茎を大きく育てるための栄養素。観葉植物にとって最も重要な成分です。不足すると葉色が悪くなり、多すぎると徒長(ひょろひょろ伸びる)します。
リン酸(P)- 実肥・花肥
花を咲かせ、実を結ばせるための栄養素。開花期の植物や、実を楽しむ植物には多めに配合された肥料を与えます。
カリウム(K)- 根肥
根の発育を促し、植物全体を丈夫にする栄養素。暑さや寒さ、病害虫に対する抵抗力を高める働きがあります。
肥料の与え方
有機と化成の使い分け
元肥(もとごえ): 植え替え時に土に混ぜ込む肥料。ゆっくり長く効く「緩効性化成肥料」が一般的です。
追肥(ついひ): 成長期(春〜秋)に後から与える肥料。即効性のある「液体肥料」を水やり代わりに2週間に1回程度与えるか、土の上に置く「置き肥」を使用します。
※冬の休眠期や、植物が弱っている時は、肥料は絶対に与えないでください(活力剤のみ可)。室内では臭いや虫の発生を防ぐため、化成肥料の使用をおすすめします。